気になるニュース137回「未来のための教訓」

【問】

2011年に起こった東日本大震災では、青森県・岩手県・宮城県・福島県の太平洋側で、地震のときに発生したあるものによって多くの被害が出ました。
それは何ですか。

【答】

津波

2011年3月11日14時46分、三陸海岸沖でマグニチュード9.0の地震が発生しました。
忘れることのできない東日本大震災です。
地震によって津波が発生し、その津波は岩手県,宮城県,福島県などでは8~9mにも達し、海岸沿いの町を襲いました。
この津波によって、多くの尊い命が失われました。
また、東京電力福島第一原子力発電所では、原子炉の建て屋が壊れ、放射能が漏れるという被害も出ました。

私の父親が生まれたのは,岩手県の陸前高田市。
津波によって7割以上が壊滅した町です。
私も小学生のころ,祖父母の家に遊びに行きましたが,海岸沿いに高い堤防があったことを覚えています。
堤防の高さは3m弱でしょうか。それは、津波よけの堤防だったのですが、今回の地震では、そんな堤防で津波を防ぐことはできませんでした。
私の親戚も、数多く津波に巻き込まれて亡くなりました。
しかし、生き延びた人々がたくさんいるのです。
生き延びて、今、東北で生きている多くの人々が安心して暮らせるように、早急な復興支援が望まれています。

明治から昭和にかけての物理学者である寺田寅彦が、随筆の中で地震と津波に関する文章を書いています。
その中で寺田は、日本国民の地震や津波などの災害に関する科学知識の水準をずっと高めることができれば、天災の予防が可能になる。
そのためには、普通教育でもっと詳しい地震津波の知識を授ける必要がある。
日本のような、世界的に有名な地震国の小学校では、少なくとも毎年1回ずつ、1時間や2時間くらい地震津波に関する特別講演があっても不思議はない。
ということを書いています。

今回の地震や津波による被害を、ただの歴史的な事件、悲しい出来事の一つとして理解するのではなく、地震や津波の恐ろしさをしっかりと認識し、学び、次に活かすための教訓にしなければならないと思います。

(皆実教室M)