三寒四温とはよく言ったもので、先週は前述のように寒い日がありましたが、今週の半ばはあたたかい日も続くようです。
さて、春になると、気圧配置の関係で、偏西風の影響が強く出始めます。冬の間はどうかというと、日本の西側に高気圧、東に低気圧があることが多く、この間を北西から南東へ風が通り抜けていきます。春になると気温が上がってくることもあり、東の低気圧の力が低下して、日本全体を高気圧がおおう日が増えてきます。高気圧におおわれる=天気の良い日となるので、あたたかい日となります。
とはいえ、この高気圧は偏西風の影響などで、移動していくので、高気圧と高気圧の谷間に日本が入ると、全国的にくもりの日となったりします。高気圧と高気圧の谷間は、気圧が自然と低くなり、低気圧になることが多いからです。春に晴れた日とくもりの日が数日おきにやってくるのはこのことが原因になります。
また、同じ高気圧でも、東から来るものと北から来るものがあり、このうち北から来るものにおおわれてしまうと、昼は日差しであたたかくなるものの、朝夕はとても冷え込んできます。よく3月終わり~4月半ばに「花冷え」という言葉を耳にしますが、この「花冷え」というのは北からの高気圧が日本をおおってしまっているときの状態です。
話が少々大回りしましたが、日本全国が高気圧におおわれているときには、偏西風の影響が出やすくなります。北からの風や南からの風がふかないからなのですが、この偏西風の影響が強くなると、中国からの空気が日本に運ばれてくることになります。
そこで見られるのが「黄砂」という現象です。中国の内陸部の砂漠の砂が風で運ばれてくる現象です。黄砂が見られるようになると、とたんに景色がぼんやりかすんだようになります。
今、この黄砂とともに色々なところで目にするのがPM2.5です。簡単に言うと「2.5μm以下の微粒子」です。1μmは1mmの1000分の1ですから、とても目に見えるようなものではありません。しかし、目に見えないからこそ怖い微粒子で、健康被害なども懸念されていて、アメリカでは1997年に、日本ではそこから遅れること約20年の2009年に基準値が設定されました。今のところ、中国からきているらしいとしかわかりませんが、黄砂にしろこのPM2.5にしろ、中国だけの問題とせず、近隣諸国が手を取り合って立ち向かわなければいけない環境問題とも言えるでしょう。
話が少し大きくなりすぎましたが、これらの知識は6年生の今までで学習してきた理科や社会・国語などで習得できるものです。テストでは科目の枠というものがありますが、実際考えるときにはこういった科目の枠を飛び越えて考えることがほとんどだろうと思います。ふとニュースなどで目にしたことを、自分の持っている知識と組み合わせて考えることができるようになると、学習したものを生かせたことになります。なかなか難しいことですが、習ったままにせず、せっかく習得した知識を幅広く使えるようにしてはいかがでしょうか?
(西条教室N)