【問】
米トランプ大統領が返還を主張しているパナマ運河はどこにありますか。地図帳で確かめましょう。
【答】
北アメリカ大陸と南アメリカ大陸がつながっている部分の、南米寄りにパナマという国があります。地図帳で見つけてみましょう。
パナマ運河は、中米のパナマ地峡(細くなっている部分)を切り開き、大西洋と太平洋を結んでいる運河です。アメリカが10年かけて建設を進め、1914年に開通し、1999年にパナマに返還されました。
なぜ、この運河が非常に重要なのか、そこをおさえましょう。
この運河の開通により、それまで南米を大回りしていたアメリカ東海岸と西海岸を結ぶことができるようになり、時間やコストの大幅なカットが実現しました。パナマ運河を行き来する船は一年に約14000隻。世界経済の発展に大きく貢献してきたといえます。
パナマ運河を通行する貨物は6つの港で処理されますが、そのうち2港が中国の支配下にあるということで、中国の勢力拡大を嫌うトランプ大統領の思惑がうかがえます。
2017年にパナマは中国と国交を結び、それに合わせて「一帯一路」に協力する覚書を結んでいましたが、このたび、一帯一路から離脱することを明らかにしています。
一方で、アメリカ国防省が発表した、アメリカの船舶がパナマ運河を通航する際の料金を免除することにパナマ政府が同意したという声明も、パナマ政府は否定しています。
一国の置かれた立場の難しさを感じるとともに、経済戦争の一端を見る思いを新たにします。
パナマ運河、スエズ運河、キール運河を世界の三大運河と呼んでいます。他の運河の場所も調べてみるとよいですね。
(五日市教室A)