気になるニュース703回 「需要と供給」

【問】

米の値上がりが続くなか、18日、政府は緊急時のために蓄えてある米を放出する方針を発表しました。この米をなんと呼ぶでしょう。

【答】

備蓄米(びちくまい)

米の値上がりが続いています。1年前と比べ、スーパーなどでの販売価格は90%以上上昇しています。不作や災害時以外で備蓄米を放出するのは、今回が初めてということです。この備蓄米は、「平成の米騒動」と呼ばれた1993年の不作による深刻な米不足を受けて、1995年から始まった制度です。いつでも米を供給できるよう、100万トンの米を備蓄しています。これは、10年に一度の不作でも供給できる量とのことです。

そもそも、いったいなぜここまで米が値上がりしているのでしょうか?
一番大きな理由は、米の供給不足です。農家からの買い付け競争が加速し、JAなど主な米の集荷業者が例年より米を確保できず、市場に出回る米が十分ではなくなったと考えられています。
原因のもうひとつは、数年前と比べ米の需要が高まったためです。コロナ禍が明け、日本を訪れた外国人のために飲食店が提供する米が多く必要になりました。さらに、2022年から始まったロシアのウクライナ侵攻の影響で、小麦の値段が高騰し、パンや麺より米を求める消費者が増えました。

米は主食であることから家計への影響は看過できないほど大きく、ようやくの放出となりました。3月下旬には市場に出回るとのことです。需要と供給について考えさせられる出来事ですね。

(己斐教室N)