【問】
今年からちょうど100年前の1925年に始まった放送は、なにによるものでしょうか。
【答】
ラジオ
日本におけるラジオ放送は、1925年3月22日に始まりました。
この1925年は大正時代の終わりごろですが、この時期は、大正デモクラシーと呼ばれる風潮の中で、人々の参政権を求める声は日増しに強くなっていました。
とくに財産で権利を制限する選挙法ではなく,普通選挙による成人男子がみな資格をあたえられ,投票にも行け,立候補もできるようにしてほしいという願いから、1925年に満25歳以上の男子全員に選挙権が与えられる普通選挙法が成立しました。
同時に、社会主義運動や労働運動を厳しく取りしまる治安維持法も、この1925年に制定されています。
これは、普通選挙によって社会運動が刺激(しげき)され、社会主義や共産主義の勢力が議会に進出して政治や社会の仕組みを変えていこうとするのを防ぐためともいわれています。
そういった中で始まったラジオ放送ですが、世の中の情報を素早く、そして一斉(いっせい)に伝えてくれるラジオの登場は画期的で、ニュースから娯楽(ごらく)にいたるまで生活の様々なところに大きな影響を与えたようです。
このように放送される状況が整っていたからこそ、太平洋戦争の終了を伝える玉音放送がラジオを使って流されたわけですね。
(皆実教室T)