気になるニュース687回「平和へのメッセージ」

【問】

ノーベル賞財団は、2024年のノーベル平和賞を日本のある団体に授与することを発表しました。日本では1974年の佐藤栄作氏以来50年ぶりにノーベル平和賞を授与される、この団体名を答えなさい。

【答】

日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)

日本被団協は、アメリカが1954年にビキニ環礁で行った水爆実験によって被爆した「第五福竜丸事件」をきっかけに、1956年に結成されました。
核兵器の非人道性を訴えるために、世界各国に代表団を派遣して、被爆者の生の声を届ける活動を行っています。
また、2017年の「核兵器禁止条約」の採択にも大きく貢献しました。

核兵器反対でのノーベル平和賞受賞といえば、2009年に「核なき世界」を目指すという演説を行ったアメリカのオバマ元大統領、そして2017年に「核兵器禁止条約」の採択や推進に貢献した、国際的NGO連合体である核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が思い出されます。
また日本では、国会で「非核三原則」を決議した佐藤栄作氏が1974年に受賞しています。

今回の受賞理由として、核兵器のない世界を達成するために被爆者が努力し続けたことと、「核兵器は二度と使用されてはならない」と、証言を通じて示してきたことが挙げられています。
ロシア・ウクライナ紛争やイラン・イスラエルの紛争など、再び「核兵器使用の脅威」にさらされている現在、今回の受賞が世界的に評価され、核兵器使用の歯止めに、そして核廃絶への一歩となることを期待しています。

(己斐教室M)