気になるニュース684回「飛鳥美人」

【問】

2026年の世界遺産登録を目指す国内の候補として「飛鳥・藤原の宮都」がユネスコに推薦されることが決まりました。このエリアにある、飛鳥時代の女性の服装などが描かれた極彩色壁画で有名な古墳は何ですか。

【答】

高松塚古墳

高松塚古墳は奈良県の明日香村に存在する古墳です。
だれが葬られているのかは特定されていませんが、1972年に極彩色の壁画が発見され、考古学上まれにみる大発見として、大きなニュースとなりました。
石室の壁や天井にさまざまな壁画が残されており、中でも西壁に描かれている女子群像は発見当初は色彩鮮やかで、当時の服装の様子や色などがわかる貴重な歴史的資料となっています。

発見以来、文化庁を中心に保存点検をしていましたが、雨水の侵入やカビの発生などにより壁画が大きく損なわれていることがわかり、大規模な修復作業が始まりました。
2007年に石室を掘り出して壁石ごと運び出し、古墳近くの施設で修復が行われ、2020年に工事が終了しました。汚れの除去や防カビ工事、下地のしっくいの補強などが行われたようです。
修復された壁画は、文化庁による保存管理が続けられており、年に数回一般公開が行われています。

歴史が好きな人は、東西南北を守護する四神のことを知っているかもしれませんね。
高松塚古墳にも、東に青龍、西に白虎、北に玄武が描かれていますが、鎌倉時代に古墳の盗掘が行われた際に南壁に穴が空けられており、描かれていたはずの朱雀がこのとき失われてしまったのではないかと考えられています。

(五日市教室A)