寒水仙が咲いた。
白に副花冠の黄が映えてきれいですね。
色の組み合わせに惹かれるのは、プルメリアやティアレと同じ、好きな南国系の配色だからかもしれません。
とか思っていると襲の色目を思い出した。
平安時代の女房装束の色の組み合わせを「襲の色目」といいます。
古来、色の名前には雅やかなものが多いですが、その組み合わせの名前も風雅なものだ。
白に黄色は「残り菊」とか。
年中行事や季節ごとに多くのパターンがあったようで、たとえば春は紅や蘇芳など赤系の組み合わせで「梅」「紅梅の匂」、青系(といっても当時の青は緑がかっているのですが)や黄色の組み合わせで「若草」「萌黄」、濃淡の紫の組み合わせで「菫」「白藤」…。
きっと時代とともに新しい組み合わせが生まれ、その中で目をひいたものが伝統として残っていったりしたのでしょうね。
「色々」ということばがこのあたりから生まれたものでしょうか。
微妙な色を嗜むことがほとんどなくなってしまった生活からは色の名前も消えていっているようです。
名前が消えると、知識の体系の保存も難しい。
色の名前をたくさん知っていればいいというものではないですが、自然の移り変わりや微妙なちがいを認識しわけていたご先祖さまとどちらが生きものらしいのだろう、と考え込んだりします。
名前はともかく、これから色がにぎやかになる季節、楽しみです。
身の回りを楽しむ時間のゆとりは持っていたいものですね。
(五日市教室A)