【問】
転入超過(そこに移り住む人が多い)が一番拡大している都道府県はどこでしょう。
【答】
東京都
転入超過は、総務省(地方自治など行政を管理する国の機関)が住民票を元に計算した数値です。東京都では、コロナ禍の2020年や2021は転入が少なくなっていましたが、その後回復していき、昨年は6万8千人余りでした。
都道府県別にみると神奈川県、埼玉県、千葉県といった東京圏の転入が多く、一極集中がすすんでいるといえます。
男女比では、女性の転入が多い傾向にあります。要因として、東京圏は地方に比べ、女性が働きやすい環境が整っていることが挙げられます。
ちなみに、みなさんが住む広島県の転入と転出はどちらが多いか知っていますか?
じつは、昨年広島県から転出した人は1万1409人で、3年連続で全国最多となっています。2022年の調査と比べると、2200人余りの人が広島から出ていっているのです。特に若い世代で、就職で県外に出て行ってしまうことが多いようです。
広島は海と山に囲まれており、自然が豊かで住みやすい街ですが、特に山間部や島で過疎化が進みつつあります。
一極集中が続く中で一番懸念されるのが、災害時の被害です。大地震が発生した時の人的な被害に加え、国の機関や大企業の多くが東京圏に集中しているため、経済的な被害も甚大なものになると考えられています。
企業によっては、本社を東京から移転させ、リモートワークを推奨し地方移住を可能にしている会社もあるようです。
それに対し日本政府は昨年、文化庁を京都市に移転しましたが、他の省庁の移転についてはめどがたっておらず、一極集中の状態を解消するのは難しいところです。
(己斐教室N)