気になるニュース128回「新しい税」

【問】
今年の10月から導入された、石油や石炭などの二酸化炭素を出す化石燃料に課せられる税金のことを何といいますか。
【答】
地球温暖化対策税(環境税)


環境税は、環境に関心の高いスウェーデンやドイツなどではすでに導入されている税です。
課税対象は、石油や石炭、天然ガスなどのすべての化石燃料です。
輸入されたものであれば輸入業者が、国内で生産されたものについては採掘した業者が国に税金を納めるかたちになります。
環境税には、環境に大きな影響を与える活動に対して税金の負担を重くして抑制し、反対に環境の保全・保護に役立っている活動には税金の負担を軽くすることで、社会活動が環境への配慮を反映したものになるように誘導するという目的もあります。
私たちの生活の中でも、自動車の利用を減らし、公共交通機関を使おうとか、自転車で買い物に行こうかなどという身近な行動にもなりそうですね。
原発の多くが停止しているなか、火力発電の燃料として化石燃料の消費が増えている現状、かなりの税金がかかることは間違いありません。
化石燃料には、すでに石油石炭税という税金がかけられているので、今回それに加算されるかたちとなりますが、今回の課税分も最終的には消費者に転嫁されるのではないかと危惧されています。
また、抑制の効果の試算があいまいなのではないか、環境税のない海外へ工場などを移転させることが加速し、国内の産業の空洞化を招くのではないかという指摘や心配もあります。
いずれにせよ、税収分をどう使うのか、明らかにしていってほしいですね。
環境に対する関心が高まっている今だからこそ、透明性のある環境行政が求められているように思います。
(五日市教室A)