気になるニュース123回「台風の目」

【問】
橋下徹大阪市長が中心となっている政治団体が、次の衆議院議員選挙で新党を立ち上げ、国政に進出することが正式に表明されました。
この新党の名前を答えなさい。


【答】
日本維新の会

元テレビタレントで弁護士の橋下徹氏。
2008年に大阪府知事選挙で当選し、府知事として活動しました。
赤字であった大阪府の財政を黒字化するために尽力(じんりょく)し、また、教育問題や公共事業、政策などにおける様々な過激発言で注目されました。
2011年には、自らの理想とする「大阪都」構想実現のため、任期途中で大阪府知事を辞し大阪市長選に出馬。
見事当選して、現在は大阪市長を務めています。
そして今度は、「地方を変えるためには国を変えなければならない」と、自らが率いる「大阪維新の会」を発展させ、「日本維新の会」として国政に進出することを表明しました。
もっとも橋下氏自身は、新党の代表には就任する予定ではあるが「大阪市長」としての職務を続けるとのこと。
ここに今までとは異なる流れが想定できます。
日本は国民主権であり、国民から選挙で選ばれた国会議員が、国会において予算や法律など様々なことを決定していきます。
決定されたことを実際に行うのが内閣であり、その長である内閣総理大臣は、国会において指名されるため、国会における議席数の多い政党の代表がなることが通例です。
つまり、国政を取り仕切るのは、国民が選んだ国会議員を代表者とする政党のリーダーということになります。
しかし、日本維新の会のリーダーは橋下氏で、大阪市民が選んだ大阪市長でしかありません。
もし、日本維新の会が多くの議席を得て、維新の会の国会議員が内閣総理大臣や国務大臣に指名されることになったとして、しかし、政党の代表は一地域の首長ということになるわけです。
内閣総理大臣とその属する政党の代表。どちらがえらいのかという問題ではないですが、二重構造になりかねない状況が考えられるということです。
選挙において、「新しい風」や「何かやってくれるのではないか?」という期待感も必要でしょうが、一番大切なのは「政策の実現可能性をしっかり見る」ということだと思います。
政党はマニフェストに責任を持つ。
そして国民はそのマニフェストがどこまで実現できたのかをしっかり見極めて、次の選挙で信頼に足る政党を選ぶ。
政党政治における基本事項をしっかりと認識し、行動することが必要ではないでしょうか。
(皆実教室M)