【問】
以前は国内の多くの水族館で飼育されていましたが、今は飼育頭数がわずか3頭になり、やがて姿を消してしまうかもしれない動物がいます。この動物は何ですか。
【答】
ラッコ
愛らしい姿や、腹の上の石で貝やウニを割って食べる面白い習性がよく知られているラッコ。
1994年のピーク時には、28の施設で122頭が飼育されていました。それが今はわずか3頭に。
ラッコの主な生息地の一つがアラスカですが、乱獲やタンカーの事故で生息数が激減したことを理由に保護規制が始まり、アメリカからの輸入はできなくなっています。
国内での繁殖例も多いのですが、個体の高齢化や繁殖本能の低下などで繁殖は難しいそうです。
現在、ラッコは絶滅危惧種に指定されています。
北海道ではラッコの繁殖が確認されており、野生のラッコの捕獲はできないものの、ケガをした個体や親からはぐれた子どもなどを保護することはできるかもしれません。
野生の動物の保護・展示の理由としては、もちろん個体の生命を守り、自然へ戻すということもあります。が、その動物の生態を知らないと保護も難しくなります。多くの人に保護への関心をもってもらうためにも展示は必要との考え方もあります。
動物園の動物も多くが絶滅危惧種だということを知っていますか。
私たちの思っているよりも早く、その動物達が見られなくなる時期が早まるかもしれません。
自然から遠くなった生活は、自然への関心をますます奪ってしまうところがあるように思えてきました。
(五日市教室A)