気になるニュース118回「99番目」

【問】
今年の12月に、国内で99か所目にあたる空港が山口県に開港します。
新しい空港の開港は、2010年3月の茨城空港以来となります。
この空港の名前を答えなさい。



【答】
岩国錦帯橋空港

岩国市には米軍基地があります。
毎年5月5日には「フレンドシップデー」という名称で基地が開放され、多くの人が訪れています。
一方、米軍の飛行訓練による騒音問題も深刻なものがあります。
実際に、私が通った小学校は、授業中に窓を閉め切っていられるように、各教室に空気清浄機が備え付けられていました。(40年程度前の話です)
先日、羽田雄一郎国土交通大臣は、国内99か所目の空港となる「岩国錦帯橋空港」を12月13日に開港する方針を明らかにしました。
この空港は、米軍岩国基地の滑走路を使う軍民共用空港です。
全日空が羽田空港との定期便を1日4往復就航させる予定だそうです。
岩国基地の飛行場は、1952年~1964年に、国際線を含む定期便が就航する民間空港として使用されていたことがあります。
民間空港としての利用は48年ぶりのことで、ビジネスでの利用者や観光客の増加など、地域振興にこう貢けん献するのではないかと期待されています。
ただ、岩国市の繁華街はシャッター通りと化しており、駅前もさびれる一方です。
残念ながら、日本三奇橋のひとつである「錦帯橋」だけでは、観光客を呼ぶインパクトに欠けます。
米軍基地のある町、岩国。
垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備を前に、岩国に駐機させたいといった政府の考えも伝えられています。
過去に米軍艦載機の岩国配備が問題となったとき、住民投票では受け入れ反対が圧倒的多数であったにもかかわらず、受け入れが決定された事例もあります。
(住民投票は法的な拘束力がないことは学習しましたね。)
そして基地で働いている人、基地に製品を納入している業者も数多くいます。
米軍基地があることに対して賛成であれ反対であれ、基地と共存している町、岩国。
このあたりの事情は今年返還40年を迎える沖縄と似通ったものがあります。
はたして軍民共用空港は、岩国に繁栄をもたらし、米軍基地との架け橋となるのか……
岩国市民としては、複雑な心境です。
(皆実教室M)