気になるニュース109回「沈黙」

【問】
1月27日、中国地方の原子力発電所が定期検査のため、運転を停止しました。この原発はどこにありますか。
【答】
島根県松江市

これで稼動中の原発は、泊原発(北海道)、柏崎刈羽原発(新潟県)、高浜原発(福井県)の3か所3基だけとなりました。


この3基も4月下旬までに定期検査に入る予定ですので、日本全国の原発54基がすべて止まることになります。
昨年の福島原発事故以来、全国の原子力発電所に向ける目が厳しくなっています。
日本政府は再稼動の条件としてストレステスト(原子力発電所が、想定された以上の危険にさらされたとき、どうなるかというシミュレーションを行い、対処法などを確認するテスト)を課すことにしていますが、内容などあいまいなままの部分もあり、どうなるかは確定的ではありません。
電力をまかなうため、火力発電所が大活躍しています。
そのため、燃料として使う天然ガスや重油などの輸入量もふえ、日本は今期31年ぶりの貿易赤字となっています。
原子力発電に比べ、火力発電はコストがかかるので、電気代も上がりますし、当然二酸化炭素排出量も増えているでしょう。
まして、現在イランの核開発疑惑に対して、欧米諸国は経済制裁のためイラン産の原油を輸入しない政策を採っています。
原油の供給量が減れば、ますますコストがかかります。
目の前の電気が何とかなっているからといって問題が解決したわけではないのです。
もはや右肩上がりの経済成長は期待しづらいのではないでしょうか。
電力も震災直後に行われていたように、自動販売機の夜間照明の消灯や企業・民間一体となって節電に努め、消費電力を抑えながら生きていくように、生活スタイルを少し変えていくことを考えたほうがいいと思います。
中国電力は、大規模な太陽光発電所(メガソーラー)を、宇部市に建設することを発表していました。2014年度に運転を開始する予定だそうです。
福山市にもありますね。
積極的に、再生可能エネルギーを使用する方向にも加速すべきですね。
付:日本の原子力発電所
泊原子力発電所(北海道、3基)
東通原子力発電所(青森県、1基)
女川原子力発電所(宮城県、3基)
福島第一原子力発電所(福島県、6基)
福島第二原子力発電所(福島県、4基)
東海第二発電所(茨城県、1基)
柏崎刈羽原子力発電所(新潟県、7基)
浜岡原子力発電所(静岡県、3基)
志賀原子力発電所(石川県、2基)
敦賀発電所(福井県、2基)
もんじゅ(福井県、1基)
美浜発電所(福井県、3基)
大飯発電所(福井県、4基)
高浜発電所(福井県、4基)
島根原子力発電所(島根県、2基)
伊方発電所(愛媛県、3基)
玄海原子力発電所(福岡県、4基)
川内原子力発電所(鹿児島県、2基)
その他にも青森県の大間や、山口県の上関などにも建設中、計画中のものがあります。
福島県や福井県に原子力発電所が集中していることがわかると思います。
(五日市教室A)