【問】
農業や水産業などの第一次産業が、その産物を加工し、販売するまでをまとめて扱うかたちで経営することを何といいますか。
【答】
第六次産業
1+2+3=6。1×2×3=6。
農業や林業、水産業は第一次産業に分類されていますね。
ものをつくる工業や建設業が第二次産業、商業やサービス業が第三次産業です。
現在の日本は第三次産業に従事する人が一番多いのですが、いっぽう第一次産業のおとろえ、後継者の不足といった問題が大きく取り上げられることが少なくありません。
第一次産業は自然相手にさまざまな農産物や水産物を生産するわけなのですが、ここ最近、生産だけでなく、食品加工(第二次産業)や、その先にある商品の流通や販売(第三次産業)にも農業漁業従事者が総合的に関わるかたちの経営が増えてきています。
たとえば、生産した野菜をカットしてすぐサラダにできるようにしたものを産直ショップで売るなんていうのがそうですね。
私がこのあいだ訪れた大三島では、漁師さんが自分で干物を作って、それを海の駅に持ち込んで販売していました。
有機栽培された安全な農作物が手に入るなら、少々のお金なら払ってもよいという消費者も日本各地に数多くいるため、その人たちへの通信販売や、生産者によるレストランや観光農園の経営などもこれにあてはまります。そのためのHPも作っているでしょう。
このように、加工賃や流通のための利益など、今までは第二次・三次産業が手にしていた利益、つまり付加価値を生産者が得て、地域の農業や漁業を活性化させようという動きです。
東北大震災と原発の問題で大きな打撃を受けた東北の農業・漁業。
これらを立て直すためのモデル作りがさまざまに提唱されている中で、この言葉もよく使われるようになってきています。
TPPの参加問題でゆれている日本国内ですが、第一次産業なくしては国民に安定した食料の供給は難しいのは明白です。
政府もきちんとした政策を立案して進めてほしいですし、地域の農業・水産業に関わっている方もがんばってほしいと思います。
そのための啓発に何ができるか…と考えていたりします。
(五日市教室A)