気になるニュース102回「水没する親日国」

【問】
10月上旬から始まった洪水の被害が拡大し、首都にもその被害が広がり始めている東南アジアの国はどこですか。
【答】
タイ


タイは高低差があまりなく、主要河川もゆったり流れています。
水田も多く、そもそも排水しにくい土地だといえます。
7月中旬から豪雨が続き、さらに熱帯低気圧が連続して通過したことがて拍車をかけ、さらに大潮の時期とも重なりました。
上流にある治水のためのダムも限界に達したため、放水を始めたのですが、上記の理由のため、洪水を助長する結果ともなっているようです。
タイには日系企業が多く、ASEAN最大の生産の拠点ともなっている国です。
東芝やソニーといった大企業だけでなく、中小さまざなま企業・会社が現地生産を行っています。インドなど周囲の国への部品供給基地ともなっています。
実際に、日本の二輪メーカーであるホンダやカワサキは、タイで生産した車両を国内に輸入して販売しています。現在、輸入のめどが立っていないとのことです。
10月上旬には中部のアユタヤ県の工業団地が冠水し、操業を停止しています。首都バンコクの東部の工業団地も水没、避難勧告が出されているようです。
政府は非常事態宣言を準備しているようです。
さまざまな部品の生産がストップしており、自動車や電機、精密機器など多くのメーカーの年末にかけての生産に大影響が出そうです。そもそも機械が水につかれば大損害ですし、その建て直しにも時間がかかります。
東日本大震災から回復に向かい始めた矢先、部品の供給がストップすれば、日本国内での生産も滞り、結果、会社の収益にも影響を与えます。
なんだか続けざまに試練に立たされている感じがします。
タイは東日本大震災のときに、火力発電所の無償提供を申し出てくれた親日国です。
わたしたちもつらい状況ですが、何かできることはないでしょうか。
国家としてだけでなく、個人として…。
(五日市教室A)