「thou」という英単語を知ったのはごく最近のことだ。
いわゆる2人称単数の主格に使う、やや古めかしい言い方である。
日本語だと、「なんじは」「そなたは」といった雰囲気か。
「白雪姫」に使われていたから、きっと昔話や童話に頻出するのだろうと思う。
もっとも、現在では、「あなたは」という単語は「you」に統一されているらしい。
実際、中学校で初めて英語を習ったとき、「英語ではyouしか使いません」と聞かされて、「なんてつまらない言語だろう」と思ったのをよく覚えている。
前述の「そなたは」「なんじは」以外にも、「君は」「あなたは」「おまえは」「てめーは」などなどあらゆる表現がそろっている日本語の豊かさを思ってみると、無味乾燥な気がしたのだ。
よく考えてみると、日本語でいえば「私は太郎です。あなたの名前は何ですか」レベルの延長線にある英文のなかに、豊かさも何もあろうはずがない。
だからこそ、「thou」ひとつでちょっと胸がときめいたりするのだが、こういったことは母国語、私たちの使っている日本語のなかにもあるのだと思う。
無知なせいで、気づけない世界が。
(己斐教室S)
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