【問】
菅内閣が退陣し、新しい総理大臣が国会で指名され、新たな内閣が発足しました。
こんどの内閣総理大臣は、自ら「どじょうのように泥臭く汗をかく」と言ったので、「どじょう内閣」と呼ばれています。
この内閣総理大臣の名前を答えなさい。
【答】
野田佳彦
菅内閣の支持率が低空飛行状態で、いつ内閣が退陣するかだけに注目が集まる中、8月末に民主党の新しい代表選挙が行われました。
野田佳彦氏と海江田万里氏が決選投票を行い、野田氏が新たな民主党代表に選ばれ、9月2日に新しく「野田内閣」が発足しました。
今回の内閣の顔ぶれは、民主党の党内の派閥(グループ)のバランスに配慮した人事と言われています。
内閣支持率も急上昇し、約60%にまで回復。国民の期待を一身に背負っての船出といえます。
ところが、防衛大臣が自らのことを「安全保障問題の素人だ」と言い放ち、その後、ロシアの爆撃機が日本の周りを回るなど、安全保障問題が不安視される結果を招いた感があります。
厚生大臣は個人的な感覚で「タバコは1000円にしても良い」と発言し、財務大臣が「税の公平をという観点を無視した発言だ」と遺憾の意を示したため、閣内の意思が十分統一されていないことが見えかくれします。
さらに、原発問題を率先して解決していかねばならないはずの経済産業大臣から、福島第1原発を視察した後に、「死の町」や「放射能をつける」など、大臣としての資質を疑う発言が飛び出し、結果的に大臣就任9日後に辞表を提出するという信じられない状況が起こっています。
政治家として、というよりは人間として余りにも言葉が軽すぎないでしょうか。
これらの問題に対して、野党側の追求にも違和感を感じます。
というのは、東日本大震災からの早期復興、その財源確保のための増税論(消費税率を上げることもその一つです)。
さらには、今一番急務なのは福島第1原発の処理問題と原子力発電をどうするのかということなどなど、本当に話し合わなければならない問題は山積みです。
なのに、聞こえてくるのは個人批判ばかりのように見えます。
このような問題が起こるたびに、残念な思いがしてなりません。
いったい政治家というのは、誰のため、何のために政治家になったのでしょう。
国民の生活をよくするため、国家の安全と安定を守り、国家を発展させるために身を粉にして働くのが本来の政治家の姿ではないのでしょうか。
いいかげん「政治の主導権争い」に終始するのではなく、政治家としての本分を追求し、その姿を国民に示してほしいものです。
そして、それこそが正しい「間接民主制」なのではないでしょうか。
(五日市教室A)