気になるニュース558回「発見から50年」

【問】

今から50年前に奈良県で発見された、複数の女性が鮮やかな色で描かれている壁画がある古墳の名前を答えなさい。

【答】

高松塚古墳

高松塚古墳は西暦700年前後のものとされています。テキストなどでは女性の壁画が有名ですが、男性も描かれており、他にも玄武、青龍、白虎、天井には星座が描かれています。(過去盗掘の際にこわされ、朱雀は残っていません)天武天皇の皇子(息子)の墓という説がありますが、特定にはいたっていません。

人物の髪形や服装がよくわかり、ここまで鮮やかな壁画はこれまで発見されておらず、研究者たちに大きな衝撃をあたえました。そして、大陸風の衣装を身にまとった女性や使われている技法は、当時の歴史を研究する上で大きな手がかりとなるとして、大きなニュースになりました。

この高松塚古墳、壁画の中の湿度が100%に近いことや、保存作業の際に石室内に外気が入ったことなどから、大量にカビの発生に悩まされています。現在は石室を解体して修復作業を行い、もとの古墳とは別の施設で保存されている状態です。壁画の劣化を食い止め、どのように保存管理していくかが今後の課題となっています。

(己斐教室N)