畑のありんこ(712)

菜の花菜の花が開き始めました。
おひたしなどにするとほろ苦い春の味。
今日は「菜」という漢字について。

「采」は「爪で木の実をとる」意味から。手でとるのが「採」、模様やいろどり、形を表す彡をつけたものが「彩」ですね。人が摘み集めた植物が「菜」なのでしょう。百人一首にも「春の野に出でて若菜つむ…」とあります。

「菜」は「一汁三菜」「惣菜」のようにおかずという意味もありますね。おかずに野菜・山菜が使われていた名残からでしょう。
ちなみに魚のことも古語では「な」と呼んでいます。イワナの「ナ」ですね。
もっとも、「さかな」自体、「酒の菜」(お酒を飲むときのおかず)から来た言葉です。「ウオ」は水中で生きている状態のもの、「ナ」は「ウオ」が食物になった際に使う語という区別があるそうです。「ナ」がおかずだからか。ややこしい。
酒の肴は語源的に言うと、「酒の酒のおかず」になります。
つまり、ナ(菜・おかず)→サカナ(酒のおかず)→魚、のような変化があるわけで、「さかな」が「魚」を指すようになっていくのは江戸時代から。

菜の花は見ても心和みます。
入試においても一つでも多くの花が咲きますように。

(五日市教室A)