【問】
ウランやプルトニウムを使用し、核分裂をするときのエネルギーを使って発電する方法があります。
これを「何発電」といいますか。
【答】
原子力発電
3月11日におこった、宮城県沖を震源とする「平成23年東北地方太平洋沖地震」の被害は甚大(じんだい)なものです。
地震のマグニチュードは9.0で観測史上最大のものでした。
この地震による大津波が東北地方や関東地方の沿岸を襲い、日本の沿岸すべてに津波警報か注意報が出されました。
この地震と津波によって、東京電力「福島第一原子力発電所」が被災しました。
冷却装置(れいきゃくそうち)が停電のため使えず、原子炉(げんしろ)の温度が上昇し、水蒸気爆発などがおこりました。
これによって、原子炉を保護する建屋(たてや)の壁などが崩(くず)れ、空気中で放射能も検出されています。
現在は自衛隊や消防庁が原子炉建屋に向けて放水を行い、原子炉の温度を下げることに注力すると同時に、冷却装置を動かすための電源をつなぐ作業が懸命(けんめい)に行われています。
また、東京電力は東京、千葉、埼玉、神奈川、栃木、群馬、茨城、静岡、山梨の各都県で計画停電を実施し、電力の不足に対応しています。
現在、日本の電力のうち22%は原子力発電でまかなわれていますから、原子力発電なしでは今の水準の生活を維持するのは難しいといえます。
では他の発電方法ではどうかというと…
水力発電はダムなどの建設費用がかかるし、森林などの自然を傷めることになります。
火力発電は地球温暖化の原因となる二酸化炭素の放出量が多いため、できるだけ減らしたいところです。
太陽光や風力では原子力発電のような大きい発電はできません。
とはいうものの、原子力発電は今回のような不測の事態に陥(おちい)った場合のリスクが高すぎる気もします。
今回、計画停電などを行った都心部でのインタビューがテレビで流れていましたが、
「地球環境のためにも、こういった節電はあってもよいと思う」
といった好意的な意見がいくつか見られました。
私たちの便利な生活を支えてくれている電気。
それが、どのようにしてつくられ、そのためにどのようなリスクも存在しているのか。
本当にそのリスクを背負わねばならないほど電気は必要なのか。
いろいろ考えるきっかけにして欲しいと思います。
いずれにしても、危険を承知で事態を収拾させるために頑張っておられる方たちに対して、頭が下がります。
ぜひ無事に作業を終わられることを心から願っています。
(皆実教室M)