10月12日、ノルウェーのノーベル賞委員会は2007年度のノーベル平和賞を、アル・ゴア前アメリカ副大統領と「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)に授与すると発表しました。
アル・ゴア氏は、1993年から2001年までクリントン政権の副大統領だった人物で,炭酸ガス排出削減で地球温暖化防止を図る「京都議定書」の批准(ひじゅん…条約への同意の手続き)をめざした人物です。
しかし、クリントン大統領のあとに政権をにぎったブッシュ大統領は、経済界への配慮(はいりょ)から温暖化対策に消極的で、当時二酸化炭素の排出量の最大国アメリカは京都議定書からも脱退(だったい)してしまいました。
現在は、米国内、国際世論両方の高まりとともにやや方針転換し始めていますが…。
ゴア氏は地球温暖化について1970年代から関心を持っており、アメリカの上院議員時代に、環境保護を訴(うった)える『地球の掟(おきて)』という本を書いています。
ここ数年は、世界中で地球温暖化防止についての運動に参加しています。
そして、温暖化の深刻さを説くドキュメンタリー映画「不都合な真実」に出演したことで、もう一度、世界から大きな注目をあびたのです。
同映画は2007年度アカデミードキュメンタリー賞を受賞しました。
ヒマラヤの雪が消える様子や、北極海の氷がとけて白熊が海に落ちるシーンなど、衝撃的(しょうげきてき)な内容でした。
これで初めて地球温暖化の影響を間近に知った、という米国民も多いようです。
また、彼は日本のニュース番組やバラエティー番組に出演して、世界と日本の環境問題について語ったり、環境問題に関する特別授業を行ったりました。
みなさんのなかにも、見たことがある人はいませんか?
一方IPCCとは、地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための国際的な専門家でつくる政府間機構です。国連環境計画(UNEP)と、国連の専門機関である世界気象機関(WMO)が1988年に共同で設立しました。
世界約130カ国、4000人の科学者が集まって地球温暖化の問題点をまとめ、人間の活動が地球温暖化の原因であると断定するなど、地球環境の危機を訴えています。
IPCC自体が、各国への政策提言(どのような政策をするべきか)を行うことはありませんが、地球温暖化問題への対応策を科学的に裏付ける組織として、大きな影響力を持っています。
世界中で地球温暖化問題に対する意識が高まっています。
日本でも二酸化炭素の放出量を6%削減するために、「チーム マイナス6%」というキャンペーンをしています。(みなさんもきっと耳にしたことはありますよね?)
しかし、中国や発展途上国は、先進国が責任をとるべきだ、経済の発展をおさえる政策はとらない、などとまだ本気で取り組めているとはいえない状況ですし、アメリカ政府も、積極的だとは言えません。
ゴア氏のノーベル平和賞受賞によって、アメリカ国内にもさらに大きな世論が起こることを期待したいですね。
(M)
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