【問】
近年、日本のまわりの海の生態系に変化が起こっています。その原因の1つと言われている海流の名前を答えなさい。
【答】
日本海流(黒潮)
日本海流は、日本の太平洋側を南西から北東に流れる暖流で、5年生の社会の授業では、この日本海流が沖を流れていることから、宮崎県・高知県・千葉県などでは促成栽培(農作物の早作り)がさかんであることを学習してきました。促成栽培ではその温かさがプラスに働いたわけですが、最近は日本海流の流れが変わり、これまでとは違う海域が温められ、水産業に悪影響が出ています。
最近話題になっているのは和歌山県沖です。これまでの日本海流は、和歌山県の潮岬(本州最南端。意外に思う方もいるかもしれませんが、実は本州の最南端は和歌山県なのです)に最も近づくように流れていましたが、日本海流が蛇行して、潮岬からは遠ざかり、これまでとは違う潮岬の東側に温かい水が流れ込むようになりました。
その結果、海水温の分布が変わり、漁師さん達には深刻な被害が出ています。これまでとれていたサザエやアワビが減り、名産だった姫ひじきも成長が悪くなりました。さらに、産卵場所となったり、稚魚の隠れ家になったりするアマモと呼ばれる海藻も少なくなり、今後の漁にも影響が出そうです。当たり前に食べていた魚が、高級魚になってしまう日が来るのかもしれませんね。
(五日市教室T)