畑のありんこ(669)

マメの花マメの花は面白い形をしています。犬の顔にも見えます。
5枚の花びらがそれぞれ別のかたちをしています。こういった形の花を蝶形花といいます。
おしべとめしべは花びらにかくれて見えませんが、ハチなどが花びらにのると、花びらが押し下げられておしべやめしべが顔を出すしくみになっています。
ところが、エンドウマメは虫がのっても、花びらが下がりません。

自然界ではたえず環境が変化するので、生物はさまざまな環境に適応できる子孫を残そうとします。
外から花粉をハチなどがもってくるおかげで、植物は同じ種の他の個体と交配でき、タイプの異なる子孫を残すことができるのですが、エンドウマメはそれができないしくみの花になっています。つまり、自家受粉する道を選んだということです。

エンドウマメは人間によって品種改良が進められた植物です。
自然環境に適応する(かもしれない)多くのパターンを生む労力よりも、人間が望む性質を子孫に伝えていく道を選んだ、ということなのでしょうか。

いろいろとわかるたびに、物言わぬ植物にも種としての知能があるのではないか、と考えてしまいます。

(五日市教室A)