【問】
2010年11月13日~14日、神奈川県の横浜市で、アジア太平洋地域の21の国と地域が参加する経済協力のための会議が開催されました。
これを何といいますか、アルファベットで答えなさい。
【答】
APEC
アジア太平洋経済協力会議(APEC)は、経済規模で世界全体のGDPの約50%、世界全体の貿易量及び世界人口の約4割を占めるアジア太平洋地域の持続可能な成長と繁栄に向けて、貿易の自由化や経済・技術協力などの活動を行っています。
本来ならば、お互いの国と地域が、貿易や経済協力についてどのような話し合いをするのかといった重要なのですが、日本では、日本と中国、日本とロシアの首脳会談が行われるか否かということに注目が集まっていました。
ここのところ、日本の外交力が試される事件が続いています。
尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁の船との接触事件。
その後の日中両国の関係悪化、関係修復へ向けて模索している中での事故映像の流出。
日中首脳会談は行われないのではないかといった懸念がありました。
また、先日ロシアの大統領としては初めて北方領土を訪問したメドベージェフ氏に対して、日本政府はどのような対応をするのかが注目されていました。
結果として、日中首脳会談では日中両国が、「戦略的互恵関係」が重要との認識で一致し、今後も民間交流を深めることと、経済協力の強化をすすめることで合意し、日中関係の改善への意思が示されました。
しかし、日ロ首脳会談では、菅首相がメドベージェフ大統領の北方領土・国後島訪問について抗議したものの、大統領が「ロシア領内の訪問は、大統領の自由」と、「北方領土はロシアの領土である」という立場を取ったため、一致点が見いだせないまま終了しました。
結局、日中・日露首脳対談の前に行われた、オバマ大統領との日米首脳会談において、両国の対中・対ロ関係の利害が一致し、日米同盟の重要さが認識されただけで終わった気もします。
これでは普天間基地の国外移設は当分無理かもしれません。
最終日には、21か国・地域全体をカバーする自由貿易圏構想の推進を柱とする「横浜ビジョン」を採択してAPECは閉幕しました。
議長国として責任を負った日本ですが、農産物の輸入自由化を恐れる農業団体がTPP(環太平洋経済連携協定)への参加に反対しているため、民主党内でも意見が統一できていないのが現状です。
自由貿易と農業保護の両立という難問の解決。
中国やロシアとの領土・領海に関する問題の進展。
そして、アメリカとの普天間基地移設に関する問題の解決。
現政権がやらねばならないことは、はてしなく多そうですね。
(皆実教室M)
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