【問】
5年に1度、日本に住むすべての人を対象に、人口、性別、年齢、世帯の構成や仕事をしている状況などを調べるための調査が今年行われています。
この調査を何といいますか。
【答】
国勢調査
テキストで人口ピラミッドを見たことがありますね.
ある時点での総人口、男女別人口、世帯数、就業状況などなど、日本に住む人の基本的なデータを収集する目的で行われる全数調査です。
(授業で習った、国会が行う「国政調査」とは違います!)
みなさんの家にも調査員の方が訪れ、用紙をおいていったのではないでしょうか。
私も記入しました。
氏名や生年月日、学歴や就業状況など、調査項目が20ほどありました。
これは国によって、またそのときによって違いがあり、アメリカは10項目(前回は50項目)イギリスでは40項目だったそうです。
考えてみれば、家の床面積なんてこんな時にしか調べませんね…
回を追うごとに回収率が下がっているそうですが、回収できなかった場合は、性別や世帯員の数を調査員が近隣から聞き取って調査しているそうです。
今回は初めて郵便での返送もOKとなり、東京都ではインターネットでの回答も認められるそうです。
先般、行方のわからない高齢者が全国でかなりいたという一連の報道がありました。
死亡届けを出さずに年金を不正受給している家庭がまだあるとすれば、不正確な情報もふくまれていることになってしまいます。困ったことです。
ぜひ正しい内容を回答してほしいものです。
ところで、なぜ国勢調査が必要なのでしょうか。
統計を何に使うのか考えてみてください。
各都道府県にはどれだけの人口がいて、人口密度の偏(かたよ)りはどうか。
調査されたデータは行政サービスや議席数の配分、そして人口に関する将来設計、つまり税金がどの程度見込めるのか、将来的な年金などに必要な社会保障関係費の見込みは…などに利用されます。
今から50年後には、人口はおそらく1億人を割るだろうと考えられています。
今の日本の姿、そして未来像を描くうえで必要な作業ともいえるわけです。
第一次産業の従事者が著しく減っていますが、これをどうするか。
食料自給率の問題とも関係してきます。
年金保険加入者への支払額・支払い年齢をどうすれば、経済的にも破綻せず国民の暮らしを守れるのか。
地方分権をどのように進めていくのか。
問題は山積です。
人口や世帯数は来年2月に発表されることになっています。
わたしたちもその一部を構成しているわけです。
今回の調査結果が有効に利用されることを願ってやみません。
そして、みんなでよい社会をつくっていきたいものです。
(五日市教室A)