【問】
先日、福山市で生産量日本一をほこる農産物が、正月に向けての出荷が開始されたというニュースがありました。
この、正月のおせちに使われる農産物とは何ですか。
【答】
くわい
福山での生産量は全国一位で、毎年およそ130トン生産しています。
福山のくわいは、今年の6月29日に農林水産省の「地理的表示(GI)保護制度」の認定を受けており、「福山のくわい」として全国に流通しています。
地理的表示保護制度とは、一定の品質を持つ地域の農産物に対して地域名をつけブランドとして守っていこうというものです。
このくわいですが、明治後期ごろから福山に自生していたものを栽培し始めたそうです。
くわいはその外形から「芽が出る」ことを連想させるため、縁起物とされおせちにも取り入れられることが多い食材です。
また、くわいは「オモダカ」という水辺や湿地に生える植物の変種ですが、この「オモダカ」も「勝ち草」とも呼ばれるなど戦の縁起物として武士に人気があり、家紋(かもん)として使われていたようです。
かの毛利元就も正式な家紋である「一文字三つ星」とは別にこのオモダカを図案化したものを替紋(正式なものとは別に使う家紋)として使っていたそうです。
そうと知ると、なかなか広島に縁の深い植物に思えてくるのはわたしだけでしょうか。
(西条教室N)