気になるニュース487回「コロナがもたらしたもの」

【問】

新型コロナウイルスによって、社会のしくみの変化が加速しています。テレワークの普及もその一つですが、それにともなって廃止の動きが出ている、これまで手続き上必要とされることが多かったものとは何ですか。

【答】

ハンコ

自分用のハンコを持っているという人は、生徒の皆さんの中には、まだ少ないでしょうね。
車を買うときや生命保険に入るとき、役所へ書類を提出するときなど、生活のさまざまな場面で保護者の方が使用するのを見たことはあるでしょう。
荷物の受け取りの際などは「認印(みとめいん)」といって、売られているハンコをそのまま使用することも多いのです。
欧米では主に自筆のサインが、承認の意志を表すものとして使われています。
日本は世界でもめずらしい「ハンコ文化」の国なのです。
それが、これから変わっていくかもしれません。

きっかけは、コロナウイルスの感染を防ぐために緊急事態宣言が出され、テレワークが増える中、どうしても書類にハンコを押す(押印[おういん]といいます)ために、やむをえず出社する人がかなりいたことです。
ニュースでも報道されていたので、見た記憶がある人も多いでしょう。
行政手続きの「脱ハンコ」をかかげたのは、菅内閣の河野太郎行政改革担当大臣です。
行政手続きの9割以上のハンコの使用を廃止できるとし、政府の進めるデジタル化の流れにそって進めていきたいようです。

いきなりすべての行政手続などからハンコがなくなることはないでしょうが、ハンコを作る業界やなどからは文化を失わせるものだとして反発も出ています。
デジタル技術の進歩でハンコに代わる手段がさまざまに開発され、すでに導入を進んでおり、必ずしもハンコを「押す」必要はなくなっていきそうです。
今回の新型コロナウイルスの流行は、終電の時刻が早まったり、バイキングのお店が形態を変えたりと、私たちの身の回りにも大きな変化を起こしています。

(五日市教室A)