【問】
商品を購入した際にかかる税金を何といいますか。
【答】
消費税
7月11日の参議院議員選挙。
民主党が政権与党として初めて経験する大規模な国政選挙でしたが,結果は大敗。
参議院は与党の過半数割れに追い込まれました。
6月に鳩山首相のあとを受け誕生した菅直人内閣。
出だしの支持率は非常に好調でした。
しかし,参議院の選挙戦において,菅首相が「消費税は10%程度必要だ」と発言したことで,急速に支持率を落とし,参議院議員選挙で民主党が敗北する一因になりました。
日本で消費税が導入されたのは,1989年の4月1日,導入時の税率は3%でした。
その後,1997年4月1日に税率が5%に引き上げられました。
小6の皆さんが生まれる前に,すでに5%になっていたんですね。
消費税引き上げには,さまざまな反対意見があります。
その理由の一つとして,「逆累進課税になる」ということがあります。
所得税は,所得の多い人ほど税率が上がる「累進課税」というしくみになっています。
財政を学習したときに習いましたね。
消費税は,消費(何かを買ったりサービスを受けたりすること)を基準に課税されるため,消費という視点だけから見れば、公平に見えます。同じ量の消費をすれば払う消費税額は同じだからです。
一方で,所得に格差があるにもかかわらず同額の税を払うことになるので,消費税の負担感は低所得者ほど重く感じることになります。
たとえば,120円の缶ジュースのうち消費税は5円ほどです。
月収10万円の人が,1日にジュースを2本飲むと毎日10円税金を払うことになります。
1ヶ月(30日)で300円,所得に対する割合は0.3%です。
月収100万円の人が同じ割合でジュースを飲んだときの消費税300円は0.03%となりますから、ずいぶん負担感が違うことがわかると思います。
また総務省のデータで,年収約400万円の世帯は消費の割合は80%台だが,年収約1000万円の世帯は60%台であり,高所得者ほど家計に占める消費の割合が低くなる関係にあることが実証されています。
以上のことから消費税は「逆累進課税になる」といわれるのです。
では,諸外国の消費税はどのようになっているのでしょうか?
EUなどヨーロッパ諸国は,のきなみ15~25%と高い消費税率です。
しかしイギリスでは,一般消費税率は17.5%ですが,国内旅客輸送・食料品・水道・新聞・雑誌・書籍・電力・燃料・医薬品の消費税率は0%(つまり非課税です),住宅の取得・医療・教育・金融・保険・郵便も非課税と決まっています。
また,品目別に見ますと,食料品については,フランスは5.5%(一般消費税率19.6%)ドイツでも6%(一般消費税率17%),EU以外では,オーストラリアはなんと0%(一般消費税率10%)と消費税を軽減しているのです。
これは生活必需品における消費税の負担が,低所得者にとって重いことを各国の政府が理解しているからでしょう。
今後,社会保障関係費がますます必要になっていくことは周知の事実です。
また,国債発行をこれ以上増やすことも感心しません。
国家の財政を健全化するために,増税は避(さ)けられない気がします。
税収の問題と国家の財政の問題は,私たちの未来に直結しているのです。
だからこそ国会議員の人たちは,互いにいがみ合うのではなく,真剣に議論してほしいと思います。
また私たち国民も,その議論の様子をしっかりと見,自らの意見をしっかりと持っていかなければなりません。
(皆実教室M)
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