【問】
江戸時代ごろから伝わる妖怪で、厚生労働省が感染拡大防止のアイコンにも採用した妖怪は何でしょうか?
【答】
アマビエ
江戸時代に、肥後国(熊本県)で目撃されたと言われる妖怪で、海中から姿を現すと「これから6年間は諸国で豊作となるが疫病も流行する。私の姿を絵に描いて人々に見せよ」と語ったそうです。もちろん、真偽のほどは定かではありませんが、昨今の感染症に悩む風潮の中ネットで話題となり、一躍人々に知られることになりました。
実はこういったあまり知られていなかった妖怪などの伝承が、世相を反映して人々に広まることは以前にもありました。有名なのが「口裂け女」でしょうか。整形手術がブームになった時などに流行しましたが、もともとは江戸時代から伝わる妖怪です。ただ、近年ではこういった恐怖を与える存在は「妖怪」ではなく、「都市伝説」という表現に変わってきているようです。
そういった中で、アマビエという「妖怪」がブームになったのは個人的には心が温かくなる出来事ではありました。もちろん、アマビエの絵を描くことで根本的な解決はありませんが、こういった情勢下で「病気が蔓延する都市伝説」ではなく、「病気が治る妖怪」の話が広まったことに、日本人のプラス思考を感じました。
(五日市教室T)