気になるニュース71回「裏切られた期待」

090925.jpg【問】
沖縄県のアメリカ軍普天間飛行場の移設問題に関して、日米共同文書が締結されました。
この文書の中で、移転先を沖縄県名護市の「ある地域」周辺に移転すると明記されました。
「ある地域」を答えなさい。


【答】
辺野古
昨年からずっと問題となっていた、アメリカ軍普天間飛行場の移設問題。
先日、ついに日米共同文書が締結され、そこに明記された移設先は「沖縄県名護市キャンプ・シュワブ辺野古崎地区と隣接水域」でした。
昨年の衆議院選挙で、「移設先は最低でも県外に」と訴えていた鳩山首相。
しかし、ふたを開けてみれば、自民党政権時代となんら変わらぬ移設先。
これには、沖縄県民をはじめ、連立与党であった社民党も猛反発し(このため党首の福島みずほ氏が国務大臣を罷免されました)、結果、鳩山首相が辞任する引き金となりました。
今回の鳩山首相の迷走には、「アメリカ軍基地の意義と基地のある地域の負担」を国民に知らしめたという、いわば「怪我の功名」的なものはあったといえるでしょう。
しかし、国民も沖縄に負担を押し付けることはかわいそうだと言いながらも、では基地の引き受け先があるかといえば、それはない。
基地の騒音に苦しめられたり、アメリカ兵が町にいることを不安視したりするものの、急に基地がなくなると、そこで働いているかなりの数の日本人の生活がおびやかされるといった現状。
わたしの住んでいる岩国も同じです。
特定の国に経済や防衛を依存することの危険性が浮き彫りになった気がします。
鳩山首相は、「朝鮮半島の情勢もあり、日米安保と日米同盟の重要さ、日米がしっかりと信頼関係に結ばれていることが、結果として、この国を守ることにもつながる。(沖縄の)皆さんの気持ちに沿えない結果になったことをおわびする。」と述べましたが、国の舵(かじ)を取る一国の首相の言葉が、簡単にひるがえる「軽さ」が残念でなりません。
辺野古移設は決まったものの、施工方法については、まだ決定していません。
首相が提案した「くい打ち方式」は、通常の飛行場ならともかく軍事基地としては不適として、アメリカ側が難色を示しています。
これも、不勉強のなせることなのでしょうか。
マニフェストだけでなく、選挙前の発言も、単なる人気取りのものでなく、しっかりと勉強したうえで行ってほしい気がします。
(皆実教室M)