気になるニュース67回「弾丸列車」

20090303.jpg【問】
2011年春に全線開業が予定されている新幹線は何ですか。


【答】
九州新幹線

「新幹線」とは、「主たる区間を200キロメートル毎時以上の速度で走行できる幹線鉄道」と定義されており、海外では「Bullet Train=弾丸列車」、「Superexpress=超特急」もしくはそのまま「Shinkansen=新幹線」などと紹介されています。
もともと高速鉄道は、1960年代に日本の新幹線が先駆(さきが)けとなり、その後フランスやドイツも自国に高速鉄道を完成させました。
そして、フランスやドイツの高速鉄道とつなげる形で、イギリスや、ヨーロッパの国々に広がっていったのです。
現在、日本に新幹線の路線がいくつあるか知っていますか?
東海道新幹線、山陽新幹線、東北新幹線、上越新幹線、山形新幹線、秋田新幹線、長野新幹線、そして九州新幹線の8路線です。
事故の少ない、非常に優秀な高速鉄道だといえます。
先日、九州新幹線の線路工事が完成したというニュースがありました。
九州新幹線は現在、新八代駅(熊本県)から鹿児島中央駅までが部分開業しており、「つばめ」という愛称の800系列車が走っています。
今回の工事完成で、鹿児島中央~博多間(257キロメートル)にレールが敷かれたことになります。
博多~鹿児島中央が全線開業すると、山陽新幹線経由で新大阪~鹿児島中央間が約4時間で結ばれます。
西九州ルート(新鳥栖~長崎)についても路線が着工されており、当初の計画よりかなり遅れながらではありますが、工事が進んでいくものと思われます。
また、東北新幹線の八戸-新青森間(81キロメートル)も今年12月の開業に向けてレールが敷かれており、青森から東京を経て鹿児島まで、新幹線のレールで結ばれたことになりました。
ただ、茨城空港開港のときも、採算はとれるのか、需要(じゅよう)予測が非常に甘いのではないか、低迷を続ける地方空港の赤字に苦しむ姿が教訓としていかされておらず、開港ありきで話が進んでいるのではないか、と大規模な公共工事に対する批判の声も上がっていました。
これは新幹線とて同じことでしょう。
大量の税金を投入して赤字路線を続々と建設するのでは、この先の国の借金など返せる見込みが立ちません。
実際に、福岡、佐賀、長崎、熊本各県においても、地方財政が切迫(せっぱく)しており、これ以上の建設費の負担増はまかないきれない、という悲鳴も聞こえます。
必ずしも諸手(もろて)をあげて賛成、というわけではないのです。
もちろん、全国各地の住民が便利な交通機関を利用できるというのはすばらしいことなのですが、巨額のお金がからむ以上、どうしてもバランス感覚が必要です。
高速道路についても、同様のことがいえます。
私の祖父は鹿児島出身なのですが、確かに高速道路を使って鹿児島まで自動車で行くのはなかなか大変です。
鹿児島に行くのが便利にはなるなあ、と感じつつも、色々と考えてしまいました。
一方で、地球温暖化の問題が叫(さけ)ばれる現在、鉄道は再び脚光(きゃっこう)を浴びつつあります。
日本の新幹線の技術も、台湾やイギリス、中国などに輸出され、日本の産業の大きな柱のひとつになっていっています。
また、アメリカやロシア、オーストラリアなどでも、新しい高速鉄道を建設する計画があり、日本はドイツやフランスなどと競って、その建設計画に参加しようとしています。
日本の高速鉄道技術が、世界にも、そして地球にも貢献(こうけん)できるという側面はもっとクローズアップされてもいいのではないかと思います。