【問】
日本海から東北地方の太平洋側にかけてある生物が大発生し、漁業に大打撃を与えています。この生物は何ですか。
【答】
エチゼンクラゲ
近年たびたび大発生して漁業に大被害を与えている巨大クラゲです。
中国沿岸で生まれ、成長しながら海流に乗って、夏から冬にかけて対馬海峡から日本海側の海域に押し寄せます。大きいものは直径1~2mにもなり、重さも150kgを超え、200kgに達するものも。その後、さらに津軽海峡を通って日本海から太平洋側に抜け、親潮に乗り南下します。
しかし、太平洋側を北上する黒潮に進路を阻まれ、エチゼンクラゲが銚子以南に入り込むことは、今までほとんどありませんでした。
ところが、今年はその黒潮が日本の沿岸から離れたところを流れているのです。
そのためエチゼンクラゲは、黒潮と陸地のすき間をすり抜けて静岡など東海地方の沿岸まで到達しているようです。
今年は太平洋側にも被害が広がっており、秋サケやイカ、サバなどの漁獲にも大きな影響が出ています。
この巨大なクラゲが群れをなして網にかかれば、網も破れますし、漁獲量も大幅に減ってしまいます。網の修理代も1000万を超えることもあるそうです。
10月下旬には、網にかかったエチゼンクラゲの重みが原因とみられる漁船の転覆(てんぷく)事故も銚子沖でありました。
20世紀の記録では、大発生は数十年に一度といった回数だったらしいのですが、最近は毎年のように発生しています。
地球温暖化や発展著しい中国の近海の富栄養化などが影響を与えていると考えられています。
駆除には大きな費用がかかります。
島根県では民間の研究機関が、エチゼンクラゲを食べるウマヅラハギという食用魚を使って、駆除の実験を行っていますし、食用ということで色々なメニューも考案されています。
しかし、抜本的な解決にはなかなかなりません。
生物の数が増えれば自然が帰ってきた、といえるわけではないのです。
生態系は微妙なバランスの上に成り立っています。
珍しい動植物の保護だけでなく、こういった食生活に大きな影響のある分野にも大きく光をあてていくことがもっと必要なのではないでしょうか。
(五日市教室A)
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