【問】
今月、人類初の月の裏側への着陸に成功したのはどこの国の探査機ですか。
【答】
中国
理科で習うとおり、月は地球の周りを27.3日かけて1周する(公転)あいだに、自身も27.3日かけて1回転(自転)しています。
このように公転と自転の周期が等しくなっている現象を、「同期自転」とか「潮汐固定」などといいます。
こういった現象は地球と月に限ったことではなく、火星の衛星であるフォボスやダイモス、木星のガリレオ衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)や土星のタイタンなどでも一般的にみられる現象です。
月はこのため、地球にいつも同じ側を向けています。
月の模様が、ウサギが餅をついているとか、カニに見えるとかいうのも、いつも同じ面が見えているからこその話ですね。
アポロ宇宙船をはじめ、これまで着陸したのはこちらの表側です。
裏側はソ連の月探査機によって観測されたことはあります。
これまでの研究で、表側と違って海にあたる部分が少ないことや、起伏が激しいこと、地殻が表側にくらべてやや厚いことなどはわかっていました。
今回、裏側への初着陸を果たしたのは中国の嫦娥4号。
嫦娥は月に住むとされる仙女の名前です。
月の裏側には地球からの電波が直接届かないため、着陸は各段に難しい技術になりますが、見事成功させました。
映像を一般公開するなど、中国にしては異例のオープンな対応ですが、これは中国の力のアピールでもあり、宇宙開発技術先進国の仲間入りをしたという自負ともいえます。
大国のつばぜりあいとして見るよりは、月の裏側の神秘を探るロマンとして見ていたいなあ、と感じるのはいけませんかね。
(五日市教室A)