それでもI will be…(55)

先週は太陽の南中時刻についてでしたが,今週はエラトステネスの話。sor0145-033_m.jpg
エラトステネスって誰?
エラトステネスとは,今から2000年以上前,
エジプトで活躍したギリシャ人の学者です。


エラトステネスは初めて地球の大きさを計算で求めた人物といわれています。そのほか功績はいろいろありますが,今日はそのエラトステネスが地球の大きさを計算した話をしたいと思います。
(とても有名な話なので聞いたことがある人も多いかもしれません…)
エラトステネスは,当時エジプトのアレクサンドリアという都市に住んでいました。あるとき,旅人から「5000スタディア(当時の長さの単位)南に離れたシエネ(現在のアスワン)の町では,夏至の日に太陽の光が井戸の底を照らす」という話を聞きました。(一説によると彼がつとめていた図書館の書物の中にあったともされています。)
アレクサンドリアでは,夏至の日の太陽の南中高度は82.8度。シエネでは南中高度が90度ということに,エラトステネスは着目しました。太陽の光はほぼまっすぐに進むから(平行光線),この7度のちがいは地球の中心とそれぞれの都市を結んだ角度になると考えたのです(下図参照)。
Image1.gif
シエネとアレクサンドリアの距離が5000スタディア。
その中心角が7.2度。
ということは,円周は5000÷7.2×360=約250000スタディア
1スタディオンは約180mなので,この計算でいきますと,
250000×0.18=45000km
さて,実際の地球の大きさって知ってますか?約40000kmなんです。ということは,この45000kmというのは当時の技術から考えるとかなり正確な数値といえるでしょう。なぜなら,45000÷40000=1.125つまり12.5%しかずれていないと言えるのですから。
(己斐教室 N )