【問】
日本には米軍基地がありますが、そのうちの75%が集中している都道府県はどこですか。
【答】
沖縄県
1945年、敗戦。日本は連合国軍に占領されました。
アメリカは、当初、日本を非武装化し、軍事力を持たない状態にしようと考えました。
しかし、冷戦が始まり、アメリカとソ連の対立が激しくなると、アメリカはこのまま日本を自由主義の国の側におき、中国やソ連など日本の近くにある社会主義の国々から日本を守ろうと考えるようになりました。
そして、1950年に起きた朝鮮戦争がきっかけになり、アメリカは日本でいつでも軍事的な行動を取ることができる状態にしておこうと考えます。
つまり、日本独立後も引き続き米軍を日本に留めておこうという考えです。
日本も、戦後の復興、そして経済的発展を目指すために軍事費にお金をかけないようにしようと考えていましたから、アメリカ軍が駐留してくれれば、出費が少ないままで、他の国々への抑止力になると考えたわけです。
こうして、1951年、サンフランシスコ平和条約の直後に、日米安全保障条約が吉田茂首相によって結ばれました。
ただ、沖縄県は引き続きアメリカの統治下におかれ、1972年に沖縄が日本に復帰したあともなお、基地は残ったままです。沖縄県の全面積の約10%が米軍基地となっています。
現在、問題になっているのが、普天間基地の移設問題です。
1996年に、現在の宜野湾市(ぎのわんし)から移転することまでは日米の合意が得られていますが、移設先についてなかなか決まりませんでした。
現在、沖縄県の中部東海岸にある名護市の辺野古(へのこ)へ移設するという計画がありますが、現行の計画を変更せず、このまま進めたいアメリカに対し、政権をとった民主党がはっきりしない態度をとっています。
民主党はマニフェストで「米軍再編や基地のあり方に関しては見直しの方向で進む」としていたものの、県外移設の難しさや、時間的な問題、アメリカの強硬な姿勢に方針がゆらいでいます。どうなるのかこの先が注目されます。
2004年には沖縄国際大学の構内にヘリコプターが墜落し、市街地に墜落する危険性が大きくクローズアップされました。住民は、毎日空を気にしながら生活していることでしょう。早く移転してほしいと切望していることと思います。
また、辺野古の滑走路を沖合いに50m移動させる案が先日ニュースになっていましたが、
地元で反対している人々の気持ちなどを考えると、それでいいとは簡単にいえません。
しかし、国家としての約束もあり、国家同士の話し合いの難しさを感じます。
(五日市教室A)