気になるニュース55回「高速1000円の代償」

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高速道路のETC休日割引などで、この秋の連休も予測どおり各地で渋滞が発生したようです。やはり渋滞が発生した、広島県の尾道と愛媛県の今治を結ぶ、本州四国連絡橋のルートを何といいますか。



(瀬戸内)しまなみ海道

本州と四国を結ぶルートは三つあります。
尾道―今治ルート、児島―坂出ルート、神戸―鳴門ルートです。
しまなみ海道は広島県と愛媛県の島々(芸予諸島)を結ぶ自動車専用の道路ですが、自転車・歩行者も通行可能であることが大きな特徴となっています。
そのため、歩いて島々を巡るイベントやサイクリングコースとしての利用などで人気があるルートです。
ただ、本来の自動車利用は伸び悩んでいました。
その主な理由の一つが高い通行料にありました。(普通車・尾道IC~今治ICで4700円)
今年は、ETC休日割引で利用者がどっと増えたわけです。
利用者に聞いてみると、やはり料金が安いからという声が多いようです。
しかし、そのために他の交通機関、たとえば島々を結ぶフェリー会社などは大きな損失をこうむっているようです。「もう会社をたたむしかない」という悲痛な声も聞かれます。
今まで利用してくれていた人たちが高速道路の方へ流れてしまったからです。
政権をとった民主党の掲げる「高速道路無料化」も、自動車による二酸化炭素排出量を促進してしまうのではないか、建設のためにかかったお金をどうするのか、という意見もあります。
また、鳩山総理が日米会談で約した「温室効果ガス90年比25%減」という目標とどう整合をつけていくか、これも難しい問題です。
この秋の連休中にも、みんなが高速道路を使ったために渋滞がおきたわけですが、渋滞のほうが自動車の二酸化炭素放出量は多くなります。
それから、授業で「モーダルシフト」ということばを習いましたね。
トラックで駅や港まで運び、そこから目的地近くまで鉄道や船を利用し、またトラックに積み替える。
料金の節約と二酸化炭素排出量の削減のために行われているのですが、高速料金が無料になると、この動きもすたれていく心配があります。
どう折り合いをつけていくか、様々な問題が山積です。
その中で、温暖化の問題は私たちも避けて通れない重大な問題の一つです。
安いからどんどん高速道路を利用しよう、とばかりしてはいけないようにも感じたりしました。
みなさんはどうですか?
(五日市教室A)