さる9月11日に、国産のロケットH-ⅡBの打ち上げが成功しました。これまで使っていたのはH-ⅡAロケットですが、このH-ⅡAロケットの推進>力(簡単に言えば、ロケットを飛ばす力)を高めて、より重いものを運べるように改良したのが今回のH-ⅡBロケットです。
ニュースでも多少は取り上げられていたものの、国中が大騒ぎするほどのニュースにはならなかったため、「そんなの知らなかったよ」と思っている人もいるかもしれません。
このH-ⅡBロケットは、スペースシャトルに変わる宇宙ステーション補給機(HTV)を打ち上げるために作られたと言っても過言ではありません。スペースシャトルの引退が決まっている今、国際宇宙ステーションに物資を運ぶためのHTVは成功させないといけないものでした。今回のHTVは試験機なので、今後改良されたりする可能性もありますが、実験が成功したということは、国際宇宙ステーションの実験(計画では2010年~2016年)に、大きな一歩をもたらしたと言っても過言ではないでしょう。
ちなみに、H-ⅡBロケットは、H-ⅡAロケットの主力エンジンを2基つんで、さらに固体燃料ブースター(本体の周りに付いている補助のロケット)を2倍の4基にしてありますが、H-ⅡAロケットの2倍のものを運べるというわけではありません。1+1=2にならないという大変な分野なのです。というより、それだけ地球の重力から飛び出すことがむずかしいとも考えられます。
宇宙に人が住む時代というのはSF小説や映画,アニメなどでたくさん出てきます。が、現在の宇宙に関する技術やロケットというものに関しては、大部分の人がほとんど知らない…といった状態のような気がします。かつて(私が子どものころ…今から20数年前)に比べて、宇宙熱というか、宇宙への関心がだいぶ低くなってきているような気がします。くしくも、打ち上げ成功の翌日9月12日は宇宙の日(1992年に毛利衛さんが日本人として初めてスペースシャトルに搭乗した日を記念したもの)でした。9月12日はもう過ぎてしまいましたが、受験とは関係なくとも、もう少し皆さんが宇宙に関心を持っていてもいいかな…とおもいます。
(己斐教室 N)