【問】
世界各国で火山の噴火が相次いでいますが,今年の5月に噴火し,現在も活動が続いている,世界有数の観光地とはどこですか。
【答】
ハワイ
今年の5月,ハワイ島のキラウエア火山が噴火しました。
地質の解説書にはその名が必ずのっている火山で,噴出するマグマが玄武岩質であるためやわらかく,なだらかな山容の火山として紹介されています。
このタイプの火山は大爆発を起こすことは少ないのですが,被害が次々と報告されています。観光業は大打撃ですね。
ちなみに,ハワイの玄関ホノルルや真珠湾があるのは別の島、オアフ島です。
ハワイは火山としては少し特殊な成因です。
通常の火山は,プレートが別のプレートの下に沈みこんでいくときに,圧力と水分によって溶け,マグマとなって地上や海中に噴出するものと,地殻が新たに生まれる場所(通常は海底です)かたちが多いとされています。
ハワイの火山は,地球の深部から大量のマグマが上昇してくる地点にあり,こういう場所を「ホットスポット」と呼んでいます。地図を開いてみてください。
太平洋を見ると,ハワイ諸島が北西に向かってのびているのがわかると思います。
これは太平洋プレートが移動するにしたがって,ホットスポットが次々と作った火山がベルトコンベアのように運ばれていったことを表しています。
実は,海の中にも火山列は続いており,この活動が長期間続いていることもわかってきています。
人間がどうにかしようとして何とかなるものでないのが自然災害です。
しかし,その原因や性質をよく知り,被害を最小限におさえる努力をすることはできると信じています。
防災の知識,災害国日本には必要です。
(五日市教室A)