いきものばんざい(24)

ウチワサボテン【武装してツインカム ~サボテン~】(ナデシコ目サボテン科)

サボテンは面白い植物です。まず形が面白い。葉が針状になっていて動物に食べられるのを防ぐとともに、砂漠の日差しや砂(すな)嵐(あらし)よけにもなっています。ただ、針状の葉では光合成の効率が悪いので、茎を太く丸くしてそこに葉緑体を持つ。ついでに水分もそこに蓄(たくわ)える。また、昼に気孔を開けると水分を余計にとられるため、夜に気孔を開けて二酸化炭素をとりこみ、光合成は昼に行うというしくみ(CAM型光合成)を獲(かく)得しています。さまざまな手を使って過(か)酷(こく)な環境に適応してきたのですね。樹液を石(せっ)鹸(けん)として使ったり(シャボンの語源)、食べたり(ドラゴンフルーツもサボテンの仲間です)と多彩な面も持っています。