いきものばんざい(23)

スイレン【水に浮かぶ戦略 ~スイレン~】(スイレン目スイレン科)

池の底から茎をのばして、水面に葉を浮かべるところがハスによく似ていますが、進化の系統が異なることがわかってきました。スイレンの葉にはハスの葉のように水をはじくはたらき(ロータス効果といいます。葉の上で水玉がころころ転がります)はなく、レンコンもできません(笑)。普通の植物では、光合成や呼吸、蒸散で使う気孔は葉の裏側に多いのですが、スイレンは葉が水に浮かんでいるため、気孔が表側にある、という変わり者でもあります。また、茎が葉を支えなくてもよいので、成長や開花にエネルギーを回せると考えられています。ハスの方は…葉が水面から飛び出しています。雰囲気は似ているけれどもよく見ると違う。よく観察すると生き物のいろいろな生存戦略が見えてきます。