【問】
中東のある国で大統領選挙の結果を受けて,改革派がデモを起こし,国内が混乱しています。この中東の国とはどこですか。
【答】
イラン
6月12日にイランで大統領選挙が行われました。
反米路線で保守派のアフマディネジャド現大統領と、改革派のムサビ元首相が争ったこの大統領選挙は、13日午後に開票が終了し、現職のアフマディネジャド大統領が投票の62.63%を獲得し、33.75%にとどまったムサビ元首相に圧勝しました。
ところが、この結果があまりに選挙前の予想と違うことから、選挙の不正を疑う大規模な民衆デモが発生しました。
このデモを受けて、護憲評議会は一部票の再集計をし、50都市で投票者数が有権者数を上回ったものの、「大勢に影響はない」として再選挙を行わないことを決定しました。
また、イランの最高指導者であるハメネイ師が、「選挙に不正はない、デモを中止してほしい」と呼びかけたのですが、デモがいっこうに収まらないため、政府当局は治安部隊でデモを弾圧し、ムサビ派の幹部を次々に逮捕する強硬策に出ました。
このような状況の中、デモの場にいた16歳の少女が、銃弾を受けて死亡する場面がインターネットで世界に配信されたために、イランに対する国際的非難が急速に高まっています。
また、この事件を受け、国内のデモも、選挙の無効を訴えるものから反体制運動の色合いを濃くしつつあります。
今回このように大きな騒ぎとなったのは、民衆の中に現体制への不満があったからだと考えられます。
アフマディネジャド大統領は、国連の制裁を受けながら核開発を進めており、また、強硬な外交姿勢によって、イランの国際的な孤立も招いています。
また、イラン国内では30%近いインフレや失業者の拡大が問題となっており、現大統領の経済政策が強く非難されていたのです。
国は国民あってのもの、政治は国民生活の安定をめざすもの。
そんな基本がおろそかになっていたのかもしれません。
アメリカのオバマ大統領は、ブッシュ前政権のイラン敵視策を放棄して、イランとの対話を望んでいました。
しかしながら、今回の騒動に関して、「テレビで暴力を目の当たりにして非常に困惑している」と述べ、国際社会とともに事態の推移を注視するという声明を発表しました。
このままいくと、イランはますます世界から孤立してしまいます。
日本の石油輸入相手国第3位はイランです。けっして日本に関係ない話ではありません。
話し合いによる平和的な解決と、イラン国内の安定、そしてイラン国民が安心して暮らせる日が、一日でも早く訪れることを祈っています。
(皆実教室M)
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