気になるニュース359回「人類滅亡まであと何分?」

【問】

午前0時に人類が滅亡するとして、滅亡までのタイムリミットを比喩的に表現したものを何というでしょう?

【答】

(世界)終末時計

終末時計は、1947年にアメリカの科学誌が掲載し始めたもので、当時が冷戦の最中で、アメリカ・ソ連がともに核兵器を保持していたことなどから、「残り7分」とされました。大げさに聞こえるかもしれませんが、核兵器にはそのくらいの脅威があるということです。倫理的にありえないでしょうが、もし世界中の核兵器が同時に発射されるようなことがあれば、確かに人類が滅ぶまで7分でことたりるのかもしれません。

この時計は時折現在の危険性に合わせて、時刻が進められたり、戻されたりします。もっとも時刻が戻されたのが、冷戦が終結した時で「残り17分」。反対に、もっとも時刻が進められたのが、アメリカとソ連が水爆実験に成功した時で「残り2分」でした。その後も、気候変動や国際情勢の変化などによってこの時計は変化してきました。そしてつい先日、終末時計の最新の更新が行われました。

北朝鮮の核開発や、それにともなう戦争の危険性が加味され、過去最低と並ぶ「残り2分」とされました。もちろん、この評価には政治的な側面なども含まれるので、絶対的なものではないでしょうが、思った以上に人類は危険な橋をわたっているようです。私たちが核兵器廃絶のために直接できることは少ないでしょうが、一人一人が優しさをもって行動することが、少しずつでもこの時計の針を戻してくれるのではないかと私は思います。

(五日市教室T)