【問】
家畜を快適でストレスの少ない環境で育てようという、その動物本来の生態を尊重した畜産のやり方がヨーロッパ中心に進んでいます。この取り組みを何といいますか。
【答】
動物福祉(アニマルウェルフェア)
この考え方はヨーロッパで起こり、家畜を育てる環境についての法整備が進んできました。
餌や水の確保はもちろん、飼育のための適切な空間の準備や病気の予防・治療の提供、あるいは最終的に屠殺する際にもなるべく苦しませないような方法をとることなどがあります。
日本での対応は遅れています。
鶏を身動きのできないサイズの金網ケージで飼ったり、放牧地や運動するための場所を使わない、あるいは持っていない農家もかなりあるそうです。
餌の与え方にしても、高エネルギーの餌を多く与えて太らせようとすることもよくないという見方もできます。
もちろん、農家にしてみれば、できるだけ効率を上げ、売り上げを伸ばすために工夫を重ねてきた結果でもあり、言下に否定できるものではありませんが、採算第一、といった考え方以外の動きが世界的に生まれているということです。
トレーサビリティの発達などで、育て方にも目を向ける消費者が増えてきています。
日本でも実践するところも出始めているので、国の規制や法整備などともあわせて、今後さらに進んでいくことになりそうです。
ちなみに、動物福祉の考え方は、動物園や水族館の展示動物、さまざまな分野での実験動物、ペットなどにおいても同様です。
(五日市教室A)