【問】
以前の修道中学の入試問題の一部です。
①都市と地方の税収の格差を解決するために導入された住民税の一部を好きな自治体に払えるようにする仕組みを「〇〇〇〇納税」といいます。
②労働者を長時間働かせ使い捨てする企業を「〇〇〇〇企業」といいます。
それぞれの〇にあてはまる言葉を答えなさい。
【答】
①ふるさと
②ブラック
広辞苑が10年ぶりに改訂され、新たに1万項目が追加されました。98年の5版の改訂から10年おきに改訂され、世の中の変化に合わせて辞書の内容を追加修正しています。広辞苑に収録する言葉の基本方針は、日本語に定着した言葉を入れることだそうです。「がっつり」、「無茶振り」、「上から目線」、「お姫様抱っこ」などの言葉も定着したと判断されて今回の改訂から追加されました。
今回追加された言葉の中には、修道中学の入試問題でも出題された「ふるさと納税」や「ブラック企業」が入っています。その他にも、「スマホ」、「消費者庁」、「ねじれ国会」などもあります。これらの言葉は6年社会の時事問題で多く扱ってきた言葉ですね。今は時事問題として扱われていますが、広辞苑に追加されるぐらい定着した言葉ですので、今後はテキストに追加されていくのでしょう。辞書の改訂と同じく小学生のみなさんが勉強している社会の内容も少しずつ変化しています。
私が小学生だった頃は、東日本大震災どころか阪神淡路大震災も起こっておらず、バブル景気に入りかけたころでした。まだ、米ソの冷戦は続いており、塾で習う社会では200カイリとオイルショックで遠洋漁業がふるわなくなったことが強調されていました。当時としては遠洋漁業の話は時事問題的にあつかわれていたのですが、今となっては歴史の内容ですね。この数十年で教科書の内容もかなり変わってきました。
小学生のみなさんが大人になった頃の社会の教科書は今の内容とは大きく違っているはずです。社会が苦手な人からすれば、せっかく覚えたことが無駄になると思うかもしれません。しかし、今の世の中の見方を勉強し、これからの大人になるまでの変化を楽しむところに社会の面白さのひとつがあると思います。社会を勉強することで、世の中のことがわかったと実感できるようになってもらえたらうれしいです。
(皆実教室F)