気になるニュース第346回「世界の記憶」

【問】

人類の貴重な文書、書籍、写真などの資料を保存し、広く一般に公開するための事業を世界記憶遺産としてユネスコがすすめていますが、今年の10月に登録された江戸時代の資料は何に関するものでしょうか。

【答】

朝鮮通信使

世界記憶遺産は最近では「世界の記憶」とよばれており、ユネスコが「世界遺産」「無形文化遺産」とならんですすめているものです。
現在、ベートーベン交響曲第九番の自筆の楽譜やアンネ・フランクの日記などが登録されています。

今回の朝鮮通信使の資料は、朝鮮国王が徳川将軍家に派遣した外交使節団に関するもので、使節の一行が通った日本国内12都府県と韓国に残る文書や絵巻物など、およそ300点が登録されました。

登録への運動は、日本側では関係自治体などでつくる朝鮮通信使縁地連絡協議会が、韓国側は釜山文化財団が担ってきました。政府ではなく、民間レベルの取り組みで実現したことに大きな意味があります。

ユネスコへの登録申請書には「この記録には悲惨な戦争を経験した両国が平和な時代を構築し、これを維持していくための方法と知恵が凝縮されている」と書いてあったそうです。

(皆実教室T)