今回は、ちょっと肩の力を抜いて、クイズから始めてみましょう。
さて、それは…
「1ヶ月で10億円貯金する方法とは」
というものです。
そんな方法があったらぜひ教えてほしい! と思うでしょう?
実は答えは簡単です。
まず1日目は1円貯金し、次の日からは前の日の2倍の金額を貯金していけばいいだけ。
2日目は2円、3日目は4円、4日目は8円……
と貯金していくだけで30日後には貯金が10億円を突破するのです。
ほんとうかな? 6月の1月間でシミュレーションしてみましょう。
1日の貯金額 | 貯金額の合計 | |
6月 1日 | 1円 | 1円 |
6月 2日 | 2円 | 3円 |
6月 3日 | 4円 | 7円 |
6月 4日 | 8円 | 15円 |
6月 5日 | 16円 | 31円 |
6月 6日 | 32円 | 63円 |
6月 7日 | 64円 | 127円 |
6月 8日 | 128円 | 255円 |
6月 9日 | 256円 | 511円 |
6月10日 | 512円 | 1023円 |
意外と10日間ではあまり貯金できませんね。
期間はもう3分の1過ぎてしまったのにまだ目標の100万分の1です。
本当にこれで達成できるのでしょうか?
1日の貯金額 | 貯金額の合計 | |
6月11日 | 1024円 | 2047円 |
6月12日 | 2048円 | 4095円 |
6月13日 | 4096円 | 8191円 |
6月14日 | 8192円 | 16383円 |
6月15日 | 16384円 | 32767円 |
6月16日 | 32768円 | 65535円 |
6月17日 | 65536円 | 131071円 |
6月18日 | 131072円 | 262143円 |
6月19日 | 262144円 | 524287円 |
6月20日 | 524288円 | 1048575円 |
やっと20日で100万円を突破しました。さあ、あと10日間。
1日の貯金額 | 貯金額の合計 | |
6月21日 | 1048576円 | 2097151円 |
6月22日 | 2097152円 | 4194303円 |
6月23日 | 4194304円 | 8388607円 |
6月24日 | 8388608円 | 16777215円 |
6月25日 | 16777216円 | 33554431円 |
6月26日 | 33554432円 | 67108863円 |
6月27日 | 67108864円 | 134217727円 |
6月28日 | 134217728円 | 268435455円 |
6月29日 | 268435456円 | 536870911円 |
6月30日 | 536870912円 | 1073741823円 |
どうですか! 6月30日の貯金高はみごと10億円を突破しました。
冷静に考えてみると6月15日あたりからの1日の貯金が難しいということがわかると思います(笑)。
とくに最後の10日間はどうやって貯金するのかというところですが…
さて、ここからが本題です。
今回取り上げた1日の貯金を並べてみると
1 2 4 8 16 32 64 128 256 ・・・・・・
という数列になります。
小学校では差が等しい「等差数列」を扱うことが多いのですが、
上記のような数列のことを「等比数列」といいます。
詳しくは高校で学習しますが、1が初項で2倍になっていく数列は
中学入試でもよく出題されています。
みなさんは上の表を見て、何か気がついたことがありませんか?
そうです。
貯金額の合計が次の日の貯金額-1円になっているのです。
(たとえば10日の貯金額の合計は1023円ですね。11日の貯金額は1024円になっています。)
ですから、入試では「数列の12番目までの合計を求めなさい。」という出題がされます。
全部真面目に足しても答えは得られますが、
こうした規則に気がつくとスムーズに解答できるはずですね。