【問い】
北朝鮮が4月4日~8日までの間に人工衛星を載せたロケットを打ち上げると、国際機関に通告しています。
ただ、これはロケットではなく北朝鮮の弾道ミサイルだとも言われています。
このミサイルを何といいますか。
【答え】
テポドン
4月4日~8日にかけて、北朝鮮が「試験通信衛星」を打ち上げると国際海事機関に連絡をしました。
ロケットの1段目が日本海(秋田県沖)に、2段目は日本の本土を越えて太平洋上(千葉県東方)に落下する予定なので、注意してくださいという通告です。
しかし、日本やアメリカは、これを北朝鮮の弾道ミサイルである「テポドン2号」の改良型ではないかと見ています。
もちろん、これが人工衛星を載せたロケットではないといった証拠はありませんが、たとえ衛星であっても、ロケットの発射は、国連安全保障理事会決議に違反するとして、日本は北朝鮮に中止を求めています。
さらに、ロケットが日本の領土や領海に落下する場合は迎撃することを決定し、防衛大臣が「破壊措置命令」を発令しました。
これは、日本に飛んでくる弾道ミサイルなどを、被害が出る前に撃ち落とす命令です。
確かに、日本の国土や領海に部品が落ちてきたら大変です。
街に落ちれば火災や建物の倒壊が起こるかもしれません。
また、海上で漁をしている人も命の危険にさらされます。
防衛大臣の命令を受け、自衛隊は迎撃用の地対空誘導弾「パトリオット3(PAC3)」を、都心と秋田県、岩手県に配備しました。
また、海上配備型迎撃ミサイル「SM3」を装備したイージス艦3隻も日本海に配備されており、アメリカ海軍もイージス艦2隻を派遣しています。
ミサイルが実際に発射されたら、10分ほどで日本に到達するそうです。
政府は「テレビやラジオの情報に注意してほしい」とよびかけていますが、その情報提供体制がどのようなものかが、先日テレビで放送されていました。
ある県では、レーダーで落下を捉えた後、担当者が別室に走って行き、各市町村へFAXで連絡するというものでした…
各市町村にFAXで連絡するような体制ではたして間に合うと思っているのでしょうか?
「こんなことを言うと怒られるかもしれないが、変なものが間近に落ちるなんてことがあった方が、日本人は危機感というか、緊張感を持つんじゃないかな。」
という石原東京都知事の発言が先日ありました。
これも、どうかと思います。
緊張感を持つためならば、国民の命が危険にさらされても仕方がないとは思えません。
一方、北朝鮮側は、「敵対勢力が平和的衛星に対するささいな『迎撃』の動きでも見せれば、速やかに正義の報復打撃を加える」と声明を発表しています。
国際関係は複雑に絡み合った糸のようなもので、一面だけでは捉えられないところがありますが、お互いに刃を突きつけあう関係は築きたくありません。
日本・北朝鮮をふくむ関係諸国の政府が、互いに歩み寄り、良識ある判断と行動をすることを切に願います。
(皆実教室M)