【問】
労働者1人あたりの仕事を減らし、みんなで仕事を分け合うことで失業をなくそうという制度のことを何といいますか。
【答】
ワークシェアリング
景気が悪化して失業者が多く出そうなときにとりいれられるしくみです。
日本における経済3団体が今年の1月6日開いた合同記者会見の席で、日本経団連の御手洗(みたらい)会長が
「ワークシェアリングみたいな考え方もひとつの選択肢で、そういう選択をする企業があってもおかしくない」
と発言し注目を集めました。
労働者1人あたりの仕事(労働時間)が減るわけですから、労働者の給料は下がってしまいますが、失業者を出すよりはよいという考えです。
企業の立場からみると、有用な人材の流出を防げるといったメリットもあります。
一方で、生産性の低下や責任の所在がはっきりしなくなるなどの欠点も指摘されています。
また分け合うことが可能な職種とそうでない職種もあるでしょう。
もちろん、給料が減るのも雇(やと)われている方としては困ります。死活問題です。
そこで、自営業でかせいだり、他のアルバイトをしたりして不足分を補ったりという人のいる国、政府がワークシェアリングをとりいれた企業に助成金を出すなどの対応をしている国もあるそうです。
サブプライムローン問題を発端としたアメリカの経済失速、ビッグ3と呼ばれる自動車産業の経営危機がアメリカの土台をゆさぶっています。
日本でも年末には東京日比谷公園に現れた年越し派遣村が話題になりました。
そして派遣社員だけでなく正社員さえもリストラされるほどの景気悪化。
ワークシェアリングも一つの方法ではありますが、ドイツやオランダ、フランスなど外国の例を見ても、労働者、企業、国とそれぞれが痛みを分かち合わないと、なかなかうまくいかないようです。
この不景気は全世界的な影響をもっており、他の国でも経済の失速が報告されています。
昨今話題の定額給付金についても賛否両論あって、絶対確実有効な方法というわけではないのかもしれません。
もらっても、あっというまに食費に消えて終わり、という声もよく聞きます。
根本的な景気対策にはなり難い気がします。
でも、給付を待ちわびている人も多いという意見もあります。
いったいどういう方法が効果的なのでしょう?
先行き不透明な時代にこそ、人間の真価が問われるのではないかと思います。
襟を正して、礼にかなった、そして思慮深い人間になりたいものです。
(五日市教室A)
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