気になるニュース第297回「セット商品?」

【問】

日本が新幹線と原発を輸出することになりそうな国とはどこですか。

【答】

インド

11月中旬、インドのモディ首相が来日し、安倍首相と会談を行い、日本の原発やその関連技術を輸出可能とする原子力協定に署名しました。
電力不足に悩むインドでは早急な電源の確保が急がれています。
インドは核保有国ですが、NPT(核拡散防止条約)に加盟していません。
インドが核実験をした場合、協力を停止する方針を関連文書に盛り込んではあります。

とはいえ、福島の原発の事故が完全に終息したわけでもなく、全国の原発の再稼動もなかなか見通しが立たない状況で、輸出に力を入れて大丈夫? と考えてしまいます。
もし事故が起きてしまったら…との思いは当然ありますし、賠償責任が日本にもくるでしょう。
原子力の技術を維持し、研究を劣化させないための方法ではないのかと論じる記事もみました。
 
新幹線は、ムンバイとアーメダバード間500キロを結ぶ予定で、台湾に続き2例目です。2023年開業予定。
新幹線技術の輸出は成長戦略のひとつとなっていて、インフラの輸出を通じて各国との関係をよくしておくことは資源輸入国である日本にとって大切なことです。
タイやマレーシア、アメリカなどにも建設計画があり、これらも視野に入っていることと思われます。
が、今回の総事業費1兆8000億円のうち1兆4600億円は日本が資金融資(円借款「えんしゃっかん」といいます)するとのこと。
日本のかかえている借金を考えると、不安になる数字ではありますね。

(五日市教室A)